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僕が現地でサウルコス福井→福井ユナイテッドを応援するようになって、もう10年位経ったでしょうか。毎年この時期になると不本意ながら悔しい思いをしておりますが、僕的には今年が一番しんどいです。去年もしんどかったですが、今振り返るとまだ希望を見いだせる感じもありました。今年はその去年とは比べ物にならない位のショックです。なぜなら今年は期待感が例年になく大きかったですし、悲願達成がすぐそこまで手が届きそうな所まで来ていましたから。

2024年の福井ユナイテッドは、今まで観てきたどのシーズンよりも期待を抱かせてくれるチームでした。去年までだったら2〜3点で勝ってた相手に大量得点で勝った。去年までなら反撃しても同点止まりだった相手に逆転勝ちした。去年に比べて失点は減った。北信越リーグは全勝優勝。地域CL一次ラウンドは無失点。決勝ラウンドも2戦目は飛鳥FCに快勝で暫定1位。次勝てば昇格、というところまでは来た。一年を通して成長しているのが手に取る様に分かりましたし、今年はイケる!という手応えが日に日に感じられるようになりました。

それなのに、最後の最後で決壊。あれだけ硬さ、粘り強さを身につけたと思われた守りが。1次ラウンドで福山、JSC、十勝相手に90分間無失点で耐え凌いでみせた守備陣が。幾度となく相手ゴールを防いだ守護神杉本が。ことごとく球際で勝てず、いとも簡単にペナルティエリアに入られ、いとも簡単にゴールを割られる。試合前まで感じていた今年はイケるという手応えが、試合時間が経つごとに木っ端微塵に砕かれていく。信じられない光景。こんな姿、想像もつかなかったですし見たくもありませんでした。もっとも、今にしてみれば初戦のジェイリース戦の前半3失点がその前兆だったのかなとも思います。スキを突かれると脆い。どうしてこうなった?技術?戦術?体力?メンタル?体力については酸素カプセルトラックまで調達して準備万端だと思ってたのに。

最終戦は勝てば文句なしで昇格でしたから、それを掴むために勝ちに行くのは当然です。ただ、どこかのタイミングで2位狙いに割り切った戦いにシフトしていればと思わなくもないです。一方で、もし仮にシフトして守りに徹した時にVONDS市原の圧に耐えてビハインドを2点以内までに抑えて2位に滑り込めたのかと言われればそれも分かりかねます。

結局のところ、あの試合運びは戦略ミスだったのだろうか?ギリギリまで勝ち点3を追い求めた「諦めない姿勢」が裏目に出たのか?自分たちのサッカーという名の美学を自分達の意志で最後まで貫き通したのか?まあ、今となってはそれらを考える事自体が既に無意味なんですが。次の試合があるならともかく、もう無いですし。何よりもVONDSが何枚も何十枚も上手でした。球際の強さ、攻めのスピードと厚み、精度の高さ、全てにおいて。

試合終盤、もう悲壮感というか張り裂けそうな感情と闘いながら応援してました。リードを広げられてもなお反撃を信じて声を出したものの、無情のタイムアップ。夢が絶たれた瞬間、そこにあるのは歓喜や安堵ではなく、絶望と沈黙と啜り泣きでした。

試合後、コルリを始めサポーターの皆は試合後に選手、監督、VONDSさんを讃えるコールを発していました。みんな悔しくて悔しくてたまらない筈なのに、ぐっと堪えて顔を上げて声を出していました。みんな強い。立派だ。

それに引き換え、自分はというとこれら一連のコールを言うことすら出来ず、ショックでうなだれっぱなしでした。普段から偉そうな事言っておきながらこのザマです。本当にごめんなさい。我ながら情けない。あの日あの時、初めてサッカーに対して怖い、辛い、もう観たくないっていう感情が湧きました。Xのアプリを開くときにもタイムラインが表示される前に書き込みボタンを押してタイムライン見ないようにしたりなんかして。福井ユナイテッドについて何書かれてるかわかったもんじゃないから、タイムラインを見るのがもう怖くて。

サポーターも辛いですが、社長をはじめとしてスタッフ、選手の皆さんの辛さは想像を絶するものだと思います。今回の結果を受けての敗北感であったりとか、(ここからは想像の域ですが)各方面にお詫びの挨拶をする時の心情を思うと、もうやり切れなさが溢れて仕方ありません。

でも、今年あれだけ素晴らしく完成度の高いチームを見せてくれた福井ユナイテッドには感謝こそあれども嫌いになんてなれるわけないです。そりゃあ不満が出る時も無いと言えば嘘になりますが、それも期待や愛情の裏返しですから。それに、地域CL終了後にもSNSを通して「来年こそ」「これからも応援する」と自分以上に強い思いで福井ユナイテッドへの応援を言葉にして発信してくださるサポーターが沢山います。たけびしスタジアムのスタンドを見た時にも思いましたが、着実に福井ユナイテッドの応援の輪は大きく強くなっているのがいちサポーターとして実感できています。実に心強い。ありがたい。それと、絶対に忘れてはならない事があります。それは、どんな形でもクラブがこの福井という地域にあり続けることが大事ということ。この一点に尽きます。勿論高みに行きたいけれども、無茶して大金注ぎ込んで経営を圧迫することだけはあってはならない事です。持続可能なクラブであることがマストだと思います。実際サウルコス時代に潰れかけたわけですし、福井という街には野球チームを失ってしまった過去もありますから。何よりも、せっかく服部社長をはじめとした皆さんが懸命に努力してあと一歩足らないながらもここまで作り上げたクラブですから、これからもこの流れを絶やすことなく、ずっと福井に根を下ろし続ける存在であって欲しいと心より願っています。

だからこそみんなに報われて欲しい。その為には結局のところ福井ユナイテッドが昇格という結果を出すという所に行き着くんですが。それでも、選手やスタッフ、サポーターの皆さんは本当にいい人達ばかりなんです。皆がそれぞれ、その人なりの形で福井を愛し、福井の為に汗をかく事が出来る人達ばかりなんです。そんな福井ユナイテッドというクラブが、そんなクラブがある地元福井という地域が、自分は好きなんです。これだけでもう応援し甲斐があると思えるんです。そんな人達とともに集って悲願を達成して最高の瞬間を共に味わえたらどんなに素晴らしいだろう?そう思ってしまうんです。

あの日のことについて話を戻します。試合終了直後はもうサッカーそのものを観るのを辞めようとまで半ば本気で考えましたが、2〜3日経過してさすがにそこまでは考えなくなりました。ただ、90分通して試合を見れる自信はまだありません。なぜならあの悪夢の様な瞬間をきっと思い出してしまいそうになるから。福井ユナイテッドとは無関係のサッカーを観ても、あるいは他競技を観ても今は多分同じだと思います。しばらくは働きつつ穏やかに日常を過ごしながらゆっくりとメンタルの回復を待ちます。しばらくっていつまでなのか自分でも見当つかないですけど。もっと言うと、今までの様な、特にあの日のような熱量はもう自分には取り戻せそうにないなとも思っています。歳も歳ですし(笑)。だからといって福井ユナイテッドを応援しないという選択肢はありません。どんなに細々とでもいいから関わり続けていきたいと思っています。例え熱量は乏しくても、繋がりだけは切らしたくない。その時その時の、出来る範囲で。焦ってもしょうがない。

まあ、こんな風に今感じていることを言葉にして、それを文章にまとめて思いを誰かに伝えるという行為そのものが自身のメンタルを立ち直らせる過程のひとつなのかもしれないなとは自分でも思います。

最後に、福井ユナイテッドの選手の皆さん、藤吉監督、コーチングスタッフ、服部社長はじめスタッフの皆様、関係者の皆様へ。福井の為に戦ってくれて、この舞台まで連れてきて頂いて、本当に心の底から声を大にしてありがとう、お疲れ様でしたと言いたいです。そしてサポーターの皆さんにおかれましても、こんな俺みたいなポンコツに絡んでいただいたり車の運転してもらったり応援をまとめて頂いたりなどして色々お世話になりっぱなしで、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。11月24日のたけびしスタジアム、結果は最悪でした。だけど今年のチームは最高、応援席も最高でした。

あの日の事については、いつの日かみんなであの時あんな事もあったよねーと笑って振り返りながら酒飲んだりできるといいなぁ。昇格した後にでも。なんせ今年の地域CL以外にも「あんな事」のネタは豊富なもんで。いやー、長い飲み会になりそうだ(笑)

コメント

  1. かつてのコルリ より:

    僕もそうですが、今年は行けるんじゃないかって思ってたことが、もう敗けでしたね。たぶん選手も監督もクラブスタッフも言葉ではまだまだって言っておきながら内心は油断してたはず。これが福井ユナイテッドなんですよね。応援の輪は広がってるかもしれませんが、創立間もないバスケに負けないように頑張ってください!

    • abechang より:

      お久しぶりです。返信遅くなりすみません。
      ブログ見ていただいてたんですね。ありがとうございます。

      「行けるんじゃないかと思ってたことがもう敗け」…そうですね。この一言は刺さりますね。
      私にもそういう部分があったのは認めざるを得ません。
      油断って、していないつもりでも知らず知らずのうちにしてしまっているものなんですね。
      この辺りのメンタルのコントロールは難しい。
      だがこれを乗り越えないと先には辿り着けない。試練は続きますね。

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